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2010年2月21日 (日曜日)

ひこうき雲、春夕焼けが包み込む

めまぐるしく時間が過ぎてゆく。
そう書いてみて、ふと立ち止まる。
そうでもないかも、と思い直す。

春は確実に近づいている。
雨が降り、晴れ間が戻り、また雨が降り、風が吹く。
どれほど雨が冷たかろうとも、手が凍えそうになろうとも、時が来れば春になる。
待ち遠しい、と思う人を裏切ることはない。

▼人恋し君恋しいと水割りで

そんな季節の移り変わりの日々のひとコマで、いやすべてのコマで私は水割りを飲んでいる。
「人恋しい」という言葉は飾りだ。
だれがそんな。恋しいものか。と強がってみる。

▼届かない今夜ひとりで泣いてても

そのくせ、「届かない」と書いてみる。素敵な言葉を見つけたね。
いつまでも未完成なドラマのシーンに不満と満足が交錯する。

▼ショーウインドウ、プチハネボブの君の影

木枯らしの吹く帰り道を駅まで歩く。その途中にショーウィンドウなどない。
仕事帰りのグレーのコートを着たオヤジたちが帰ってゆく姿にまみれて坂道を降りる。
議会が始まったからかな、みんな黒っぽい背広が目立つ。
そんな裏通り。
木枯らしが似合うかもしれない。

▼靴音を逃してしまう春の風

夕暮れどきが嬉しくなってきた。暮れなずむ時刻を楽しむ。
長い髪の女の人が追い越してゆく。

▼狙っても打ち落とせなくて春の風

バキューン。
ねえ、お茶でもしませんか。
そんなことを今更、言う気もない。

▼バレンタインあの子の笑顔をちょっと妬く

早くいい人が見つかりますように。
人気者のあの人。

▼坂道を凍えて濡らす春の雨

春の雨は冷たいねえ。
天気予報ではもう少し夜半になってから振り出すって言ってたように思うけど。
コートの裾が濡れる。
水玉になって弾け飛ぶ。

▼少しだけ落ち込んでました。蓑虫さん

そういってみたくなる春の夜

▼そわそわと春めいてきてもペン重し

千夜一夜を書き倦ねている。
通勤列車の中ではスルスルと出てくるのに、ペンを持つと消えてしまっている。
眠れない夜が続くときは、深夜に対峙することもありますが、布団に入ると1分以内で眠れる日々が続いている。

▼春夕焼けひこうき雲を焦がしてる

久しぶりにひこうき雲を見た。
春夕焼けの中にまっすぐに伸びて、遠く山の端に向かっている。

ひこうき雲がきれいですよ、と写真を添えてメールしてみたら、物語の続きを思い出せたかもしれない。

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