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2010年1月28日 (木曜日)

天使の卵 村山由佳

天使の卵 村山由佳



大いなる泣き虫の私が、不思議にも泣きませんでしたね。
悲しくなかった、というか宮本輝や重松清の持つようなドラマチックな面を持っていないのかもしれません。

けっこう、自分の学生時代の暮らしそのものと、さらに、その学生時代に大学ノートの隅っこへ、講義の合間を見ながら散文ストーリーを書き連ねていたあのころの自分を呼び起こしてくれて。

村山由佳さんは、私より7歳ほど若いのですが、何となく似たような時代感覚を出していて、生活文化が幾つかのシーンに嗅ぎ取れます。恋愛感覚というか、あの時代の若者感覚のようなものかな。

現代の大学生たちがどんな友達感覚や恋愛作法を持っているのか、それはぜひ若者が読んでいたら聞かせていただきたいものですが、私はこの小説の中の二人が (或いは三人が)、少し背伸びをしながらお互いを優しく包みあおうとしたり反発したりする様子やそのときの心が、村山さんの目で上手に物語にして書き綴ら れていると思います。

物語としては何処にでもあるような設定ですけど、恋愛小説とはこういうのをいうのか、と、ふと考えさせられるような短編でした。もっと短くコンパクトでも良かったかもしれないですね。

今までに「恋愛小説」ってのを、たぶん無意識に読んでいると思います。
みんなが言っているのはこのような作品を指していたのか…としみじみ思います。

恋人が欲しい。優しくキスをしてくれるような人…。そんな人がそばに居て欲しい。 そういう感情が沸々と心に満ちてくる。
知人にメールを書きました。
---
えっ?
今の僕ですか?
恋をしてます
何もいわないで
優しくキスをして…
ああ
眠れないなあ
---
でも、ほんとうはスッキリと眠れました。
泣かずに本を閉じましたから。


| 2006-01-28 10:13 | 読書系セレクション |

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