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2009年5月19日 (火曜日)

迷う  (拾遺篇)

 「あなたの机の上にある、あなたの私物で無い赤いペンを1本取って、私にください」といえば、その依頼を受けた人はたいてい何の迷いも無く応答をしてくれる。

 そこには、「机の上 ∧ 赤色 ∧ ペン¬アナタの私物」という論理式があり、それを1本取り上げ渡すというアクションがある。しかしそんな行動の最中に ∧「かつ」、¬「~でない」の記号を思い浮かべて処理をしている人もいないだろう。

 まして、その命題にたいして「true」であるから「それを持ち上げて」とは考えない。

 しかしながら、人の頭の中ではそんなディジョンテーブル(真理表)に相当するものが構築されていることは自明で、スケジュールを練るときも買い物をするときも、頭の中ではディシジョンテーブルが活躍しているはずだ。

 ところが、「私はA子さんが好きで、B子さんとどっちが好きだろうか」と考えるときには、そこに明確なディシジョンテーブルが生成できているとは言えないことが多い。

 つまり、機械が人間のようになれないのは、人が「迷い」を持っているからだと言える。だから、機械に「迷う」という動作を教え込むことは難しいことであり、ある意味では罪悪である。やってはいけないことなのだとも思える。

 現代社会は、機械のように瞬時に「true」と「false」を判断することを正しい、とする傾向がある。多数決という一見して極めて正しそうな決定論理が横行する。

 民主党か自民党か。マクドナルドかモスバーガーか。セブンイレブンかローソンか。多数の勢力を得たものが善玉で、そうでなければ悪玉なのか。東京が○で山村の鄙が×か。儲けられない人間(社会/企業)が×で、儲ければ○か。では、トヨタは○か?、では、小泉は○か×か。

 限りが無い問答が続いていても、人の心の中にあるディシジョンテーブルは、この曖昧なものを処理するために、その人なり持つ人生哲学のようなものの規範に従い、迷いも無く「true」「false」を切り分けてゆく。

 人生哲学とは、人間の背中を貫く背骨があるのと同じように、その人の心の中に1本の大きく太い筋としてあるのだろうと私は思います。


 「迷う」ということをしなくなった私がいる。

 その裏ではいつまでも迷い続けている自分もいる。

 「ナア、オマエ、いつまでそんな我儘を言ってるのですか」と天の声がするとフラフラとし、勢いがつくと自信に溢れ驕りを胸にふんぞり返る。

 難題にぶつかったときには「じっと見つめるんですよ、睨んでやるとそいつの姿が見えてくるんだ」といつも口癖のように黒板を背にして語ってくださった伊勢時代のA先生と東京での修行時代のI先生。共に数学の恩師で、東大の二次であろうが早稲田の理工であろうが、いつも平然とスラスラ、悩まずに、迷わずに解いて見せてくれた。

 「迷いなさいな。考えなさいよ。じっと見つめなさい」

 今やこの世に怖いものなどないという錯覚に陥った自分を厳しく戒めてくれるものは、数少なくなったものの、相変わらず有無を言わせず冷静に心に突き刺さるこの言葉だ。


拾遺篇【新・雷山無言】 9月上旬号 2005年9月8日 22:28

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