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2009年3月11日 (水曜日)

振り返る 〔2002年12月上旬号〕

振り返る 〔2002年12月上旬号〕

許さない許すものかと啖呵切る  ねこ

過ちなら許せるけれど、わがままなら許せない。いつでも何でも許してやるような顔をして、優しくていい人を装っている私に向って、「それってその人を諦め ているだけでしょ、いまふうに言えばキレテいるんだよ」と指摘をされたときには「ハッ!」となった。 放任主義だと言って仕事を任せ、自主性をモットーとし、自己判断で進める逞し い姿をつくるというのは形ばかりであり、言い訳だ。人を導くという強引な気性に欠けるという。つまり、投げてしまっているのは卑怯なのだ。 人前で仕切り屋さんなんかできる器じゃないのに無理をしようとして、結局とん だ災いを招いてしまって四苦八苦した時期を経て、私はすでにキレテいるらしい。 「所詮、貴方なんて仕切り屋にはなれっこないんだから、大勢でワイワイガヤガヤとやっているところに居ること自体が不自然なのよ。」 「そうだよ、どこの誰にも威張れないし、啖呵も切れないし、それに親分らしい こともできないじゃない。いっそうのこと、無人島にでも行ってひとりで暮らしてくればいい…。」 「あんたら、家族や思うて好き放題を言うてるなあー」と言い返したものの、住み心地の良さそうな無人島が見つかったらぜひとも永住したいものだと思う。 許しても、許さなかったとしても、軌道に乗ったらヒーローであり、失敗したら 独裁的だと言われるのである。

殻に入り殻の厚みを思い知る   ねこ

落第を言い渡されて落ち込んでいた時期がありました。誰とも逢いたくないし人ごみにも出かけたくないと考えていた。自分の殻を作りその中で考え続けた。こ の殻の中に居るのがとても心地よいと感じる。一度、篭ってごらんあれ。冬は暖かく夏は涼しい。たまには殻に篭ってしばらく過ごすと、その厚みを思い出し、 外の空気に触れてみたくなるのだ。所詮、殻の中で見る夢など知れたものであったのだが、その殻の厚さを客観的に理解できたのは殻から出てからのことである。

優しさをなくした言い訳考える  ねこ

人生は言い訳の連続だ。長い道のりを行くとき、野球で負け、試験に落ち、友だちを失い、恋人に出会い、別れ、過去を振り返り、挫折し、成功もする。 「ねえ、あなた、いつからそんなに優しくなくなったの?」 「ええ?そうか、気がつかなかったなあ」 そんな会話など我が夫婦には無い。理由は簡単で、初めから優しさなんて無かったのよ。「優しさごっこ」という永遠のドラマなのかもしれない。しかし、そういうのを「優しさというのだ」と言った人があった。今年はボーナスがないけど、 羽毛の布団をひとつ、買った。

〔12月6日〕

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