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2009年2月 8日 (日曜日)

激走2420キロ <東北>

  99/08/1507:58

  1999年夏・東北、激走2420Km  

  期間 : 8月7日~8月12日 

  場所 : 信州経由、南・東北区域 

  テーマ : 激走・2500Km

  サブテーマ : 心の旅99


  8/7: 木曾路~安雲野~鬼無里~戸隠~信濃川沿~長岡市~三条市~新発田市内・松浦小学校

  8/8: 新発田~荒川温泉郷(湯沢温泉)~蕨峠~(スーパー林道不通)~温海町~鶴岡市~最上川沿~鳴子温泉~鬼首温泉(吹上キャンプ場)

  8/9:鬼首温泉~栗駒温泉(湯の倉温泉)~大湯温泉~小安峡~稲庭うどん(食)~須川温泉~文字村~花山湖~鬼首温泉

  8/10:鬼首温泉~徳良湖~関山峠~蔵王~上山市~金山峠~板谷峠~姥湯温泉~霊山町(みさとYH)

  8/11:みさとYH~福島市~土湯峠~猪苗代湖(東岸)~勢至堂峠~鳳坂峠~湯野上温泉~駒止トンネル~只見~六十里越え~小出~六日町~十日町~野尻湖~戸隠~鬼無里~松本(浅間温泉YH)

  8/12:浅間温泉YH~中仙道~岐阜羽島~自宅へ


  ・初日 …約600キロ。小学生のキャンプに混ぜてもらう(松浦小、校庭にて)

  ・2日目…約400キロ。エリザベスにバッタリ逢う(吹上キャンプ場にて)

  ・3日目…栗駒温泉。徒歩20分の山道歩行、努力で湯の倉温泉へ。帰りも当然汗だく。栗駒高原をのんびり走り、再び吹上キャンプ場。

  ・4日目…蔵王は霧の中、涼しいよー。やはり、メインは姥湯温泉でした。

  ・5日目…一気に帰るつもりで走り出すが…、信州で断念。鬼無里で激・雷雨。

  ・6日目…雨の中仙道。後に晴。お盆帰省ラッシュ始まる。

  全走行距離…2420キロ


  さて、そろそろ、書き始めます。せっかちな私は、旅から帰ったらすぐに日記を書くのですが、今回はのんびりと書いてみようかと思い始めています。ただし、忘れてしまわないうちに…。


  ■激走・はじめに<東北>99/08/1520:56

  <はじめに>

  やっぱし「はじめに」で薀畜を書かねば、旅の日記として気合いが乗ってこない。どうして旅に出るのだろう、何故に東北なんだろうって自問自答しながら荷造りをする私の心の一部を、ほんの少し、書きとどめて置こう。

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  >>♪愛に終わりがあって

  >>心の旅が始まる…

  チューリップが「心の旅」という歌をヒットさせた時に、この歌が意味するところを私は何も知らなかった。それでも子供心でそれなりに解釈して口づさんでいたんです。今回の旅を始める朝、まだ私の唇にこの歌は甦っていませんでした。しかし、暑さのために吹き出て流れる汗が目に滲みるのを拭いながら走るにつれ、甦る数々の悲哀と共に自然に私は歌っていました。同じフレーズばかり繰り返す私が可哀想だったよ。自分でも薄々感じているのだけど認めたくない自分の本当の姿ってのがあります。それをごまかすためなのだろうか、思い切り走ってみようと考えた。行き先はどこでも良かったのかもしれない。しかし、愛しい人たちを思い出すと何故か私は東北に向かうんだな。

  激走・2500キロ

  何だかワクワクするテーマでしょ。若さが戻ってきたみたいで、がむしゃらに駆けてみようか…いうような高ぶり。砂浜を駆けて大声で叫ぶような熱さが自分に残っているのかどうかを私は確かめてみたかった。いつもならば慌てて荷物をまとめて、思い立ったように旅に出るのですが、今回は事前にゆっくりと少しづつ荷物をRVボックスに詰め、実際に何度もバイクに積載して固定する実験を経てからの出発となった。RVボックスのオリジナルトップケースは、部材費用が千円余りという破格の安さで完全防水を実現し収納性の向上(従来比150%)、脱着時間も30秒以内に短縮し、かなり理想に近づいたものを得られた。さらに、テントを設営してからテーブルにもなることも想定でき、利便性でも向上を図れたと確信をしている。さて、それを確認するためにも今年は思い切り野営をしようぜ…と決意しながらの出発となった。

  どこまで行けるのだろうか。十和田湖&八甲田まで行きたいなあ。


  ■激走・初日<東北>  
  99/08/1520:57

  <出発>

  何日も前から天気が安定しない日が続いている。東北地方は晴天続きであるが関西方面は台風や熱低の影響ですっきりしない。特に、県南部の方は降水確率が下がらない。6日から休みが始まって、1日余裕を持って準備をし体調を整えた。休み前には遅くまで仕事をするに決まっているから、その夜に寝て早朝に出るのは身体に無理が掛かるようになってきたのを感じる。

  蒸し暑いので網戸にしてカーテンも開け放った窓から寝転がったまま空模様を気にしていた。夜半に目が醒めるたびに雨音にも気を配った。予報では次第に晴れ間が来るというが、それは三重県の北部の方の話で、境目に近い松阪市では悪いめに思っておいたほうが無難だ。空模様ばかりを気にしていても仕方ないので6時過ぎに起きて着替えをして荷物をバイクに積んだ。

  8月7日。6時半を少し回った頃に家を出た。名古屋から北方面の天気は晴であるから、雨が小降りであるが出発することにした。10分ほど走ったあと、津市郊外で土砂降りに見舞われた。でも、余裕だ。もう少し走れば晴れ間が来ることがわかっている。どうぞ、幾らでも降ってください…なんて独り言をいう余裕があった。Gパンもべたべたになるまで浸水したけど、四日市あたりになって出てきた熱い日差しが自然乾燥を手伝ってくれた。

  <さて、新潟方面へ>

  このレポートを書き始めた今、kenkenさんがFBIKEに三河、駿河の山奥の林道レポートを書いてらっしゃいます。奥三河から南信濃、大井川上流から身延に抜ける赤石雨畑林道を走ったレポートです。これを読んで、やっぱしこっちを行きたかったなー。この林道を越えて三河地方から甲府盆地に抜けて、甲州から上州に山越えを楽しんで、群馬県から栃木県を経て福島県へと行くルートは魅力的だったから。しかし、実際には…木曾路を抜けて、安雲野のアルプス街道を走って、鬼無里~戸隠と遠回りをして、千曲川沿いを下って午後、新潟県に入るというルートを選んだ。これには理由があって、出発に少し前にFBIKEのツーリング部屋で松本から長野へのルートのバリエーション紹介で大町から長野へのオリンピック道路を紹介していた人があったからで、R19の単調さを避けるために少しその案を拝借した。

  オリンピック道路から鬼無里を通って野尻湖畔に出てR117に出た。道にも迷わないし、大きな渋滞や通行規制にも出くわさないという安心ルートだが、何度も通っているだけに面白みにやや欠けるようになってきた。だから、千曲川沿いを下る時の道路標識に「野沢温泉」の案内が出ているのを見ながら、帰りにはこっちを回って行こう、奥志賀林道を越えて尻焼温泉にでも寄りたいなあ~と考えていた。

  <思い出の多い信州…>

  木曾路、安雲野、津南など、去年の春から夏に思い出を幾つも残してきた場所を通るのは非常に辛いものがあった。そのうち癒えると思うが、まだまだ爪痕は深い。やはり、とことんひとりで走って、時期を待つしかないのだろう。こればかりは人に話しても哀れな話としか思われないし、肝心の本人はトンズラして、今や事の真相さえ闇の中のまま…。

  <道程・あれこれ>

  安雲野のアルプス街道のセブンイレブンで昼食を取った。こんぶのおにぎりとコーヒー牛乳だ。面白い組み合わせだけど、コーヒーが飲みたいし、牛乳のような栄養も必要だろうし、お米も食べたいとなるとこんな組み合わせになる。210円。車止めに腰掛けて食べていたら近所のおじさんが声を掛けてくる。息子が1000CCを越えるでっかいバイクを買って、今朝、関西方面に出かけて行ったという。息子さんと私の姿を重ね合わせているのか。

  R117へ出る前に少し野尻湖の周辺で迷ったが、雑木林の向こうに綺麗で青いいかにも神秘的な湖が見えたので、また来たいなあって思いながら走った。(実際に帰りに寄ってしまった。)

  <テント設営場所を探す>

   このころエリザベスは…R117がバイパス化され道幅を広げて快適道路になっているので、渋滞もなく新潟県に入れる。しかし、十日町あたりは古い町並みが残っており信号も増えてきて思うように先に進めない。

  五頭まで行きたいとパティオに書いたのでエリザベスさんは行くのだろうな。待ち合わせの打ち合わせをした訳でもないので、無理に行く必要もないのだが、明日以降を考えるとどうしても五頭付近までは行きたい。しかし、日が暮れる頃になってもまだ三条市に行けない。GSで給油の際に道路を訊ねたら早そうな道を教えてくだすったので、五頭には迷わずに行けた。ちょうどこのあたりは関東TMとの境目でわかりにくい。

  五泉市を通り抜ける頃にはすっかり夜のとばりが降りて、R290号線の沿道には明かりが無い。もう五頭を通り過ぎてしまったのか。まだなのか…。いったいどんな景色なんだろうか…。自販機の明かりがあったので停止した際に酒屋の主人が酒を補充していた。キャンプ場を訊ねると「憩いの森」というのがあるという。行ったら1200円だと宿泊者が言うのでやめて先へ進むことにする。バイクもサイト横まで持ち込めそうにない。8時を回っている。

  <エリザベスは憩いの森にいたのだが…>

  あとで巡り会った彼女が言うには、憩いの森の駐車場にバイクを止めて様子を探っている人がいたのに気づいたと言う。これがドラマならなんと悔しいニアミスじゃないか。宮本武蔵がお通になかなか巡り逢えないのを連想した。彼女は明るいうちに着いたので管理人さんに許可をもらってバイクをサイトの横まで入れる許可を得たという。

  しかし、何も知らない私はエリザベスがテントを張っている所を諦めて新発田市の方へと進んだ。コンビニがあったのでとりあえず休憩して、店主らしい奥さんにキャンプ場を訊ねたら(先ほど最悪の場合…と頭にインプットした)小学校で6年生がキャンプをしているよ、と教えてくださった。早速、学校に行って先生と保護者の皆さんにお願いして児童の皆さんと同じ校庭にテントを張らせてもらう許可を得た。すでに高速をほとんど使わず600キロを走っていたので、疲れは限界だった。時刻も8時半を回っている。許可を得てからコンビニに戻って酒を買い出し校庭にテントを張った。みんなが張っているところから最も離れた教室の脇に張った。風が強くテントが風に飛ばされてしまいながらも何とか校舎の陰に張れた。しばらくすると、肝試しの叫び声があがった。ひとしきり続く中でその懐かしい歓声を肴に地図を眺めた。保護者の方がビールを1本、差し入れてくださった。魚沼のコシヒカリのカレーはいかがですか?とも声を掛けてくださったが、残念ながら戴けるほど身体に元気が残っていない。横になれるだけで幸せだった。


  ■激走2420キロ <東北>  
  99/08/1721:40

  <松浦小学校>

  夜どおし風が強く星が綺麗に見えた。雨や夕立の心配はなく、安心して眠れる。ただ、5時前に目を覚ました子供たちがシーソーやブランコで遊び始め、その遊戯施設のそばにテントがあったのでギーキーという音と話声で目が醒めてからはうたた寝状態だった。贅沢も言えないしな。6年生って女同志でいる時にどんな話をするのかも興味があった…。

  方角を気にせずに設営したので、朝日が山陰から顔を出すと汗が一気に吹き出した。担任の先生や保護者の皆さんに御礼を言って学校を出たのが7時頃だったか。新発田市内を通り過ぎる時に大きな公園があったのでシマッタ!と思ったが、昨晩の疲労ではここを見つけるのは無理だろう。緑の広場もあって、こちらでも良かったなー、今度はこっちにしようかな、などと思うのが精一杯だなーと考えながら爽やかな朝の街を走り抜ける。

  <胎内温泉>

  道の駅があったので手洗いを済ませた。そばに大きな観音様がある。その後、少し離れた温泉街の様子を見て荒川温泉郷のほうに向かった。キャンプ場もあるとTMに書いてあるが気が付かなかった。

  <湯沢温泉(荒川温泉郷)>

  道の駅の温泉施設で蒔き水をしていた人に村営公共浴場があると教えてもらい、湯沢温泉に向かった。150円。まず最初は高瀬温泉に行き、浴場を訊ねた旅館の女将さんが「うちでも結構ですよ」と言ってくれたが、旅館なので600円と少し高いめ。「安いところはないですか」と訊ねたら湯沢温泉の村営浴場を教えてくださった。

  いいお湯である。こういう温泉が私は好きです。無色透明で、湯の花が少し浮いている。私が浸かるとザーっと溢れてしまうが1分ほどでまた並々に湯が溜まる。蛇口から湯が出ないので、浴槽の上の部分に流れ込んでいる湯を洗面器ですくってかぶる。建物は先頃に新築したらしいが、決して新しさを見せびらかすことをしない。先客がひとりあって、のんびりと話をしながら湯に浸かる。湯上がりは、建物の駐車場の一角の木陰で過ごした。

  その後、今日の大きな目的の蕨峠~朝日スーパー林道へと向かう。

  <蕨峠>

  蕨峠を越える手前で道に迷ってしまった。峠に行く道は左折で標識もあったが、直進の方がいかにも本線のようなラインが引いてあった。騙された気分だ。ダートだという情報を持っていたのでまったく疑わなかった。道が完全になくなって河原になってしまって初めて気がついた次第。KLEに変えてからこのように、ミスに気が付くのが遅くなってしまっうことがものすごく増えた。理由は簡単で、どんな道でも入っていくことが可能なのでひょっとしてミスかなと思わないから。行き止りまで行って初めて気が付く。

  引き返して蕨峠に再挑戦だ。しかし、今になって思い出してもあまり特徴のない峠で、むしろ先に迷ったダートの方が記憶に残る。峠は特別に景色が良かったわけでもなく、印象が薄いのはこれから向かう朝日スーパー林道の方に胸を膨らませていたからかも知れない。

  奥三面ダムの工事をしていて、ぐるぐると周りながら曲がりくねった道を走る。まだ昼前だったが結構な暑さで、それが身体に堪えて、ダム本体を越えるあたりにある清水で喉を潤した。あまり冷たくなかったけど、何だかたくさん飲みたくて日陰で休憩しながら何度か飲んでから出発した。

  冷たい水を求めて「湧水はないかなー」というのが口癖になったのは、このあたりからかも知れない。

  <朝日スーパー林道・通行止め>

  右に曲がるとスーパー林道、左に行くと朝日村から国道へといく。その分岐点で(右側が)「通行止め」の文字が目に入ったので左折した。その時は通行止めがスーパー林道だとは知らずに曲がったので、私はミスコースをしたことになり、それに気がつき引き返した。そこでまたさっきの通行止めの標識を見て、あらら林道を抜ける事はできないのだと知った。そういえば、誰かがどこかのパティオか会議室に書いていたのを思い出した。

  <この頃、エリザベスは…>林道の通行止めゲートが無い事を期待して新潟県側からVFRでダートを攻めていたという。エリザベスはきっと蔵王に行ってしまっているだろうから、もう逢えないなあと私は思っていた。

  <暑さの為に倒れそうになる>

  「道の駅あつみ」というのが鶴岡市に出る手前にあります。灼熱の日本海沿岸を走るとこのあたりに道の駅があると本当にオアシスに見えてくる。トップボックスだけしか着けていないせいか、重心が高くなってショックアブソーバーが沈んでしまい、バイクから(右側に)降りた時に一緒に倒れてきて驚いた!。ここでウインカーでも割れたら旅が台無しだと思って必死で支えた。おかげで筋肉痛になりました。

  <さて今日はどこまで…>

  そう思いながら羽黒山の麓を通り最上川沿いに出た。頭の中には北に行って、明日は田沢湖から十和田湖へと思っているのだが、暑くて暑くてついに戸沢村にあった道の駅に飛び込んで大休止をとる。

  頭の中を肘折温泉などが交錯するが、未知の場所(キャンプ場)に行く勇気も出ない。牧場のキャンプ場もあって行ってみたい気もするが、戻ってくる気力がもうなかった。冷たいものを食べても食べても身体が冷えない。絶対に生水と氷、アイスクリームには絶対に手を出さないのが鉄則だが、道の駅でかき氷と缶ジュースを身体に流し込んだ。

  夕方になってやや涼しくなってから鳴子温泉の方に向かいながら、何とかなるだろう…と思いながら、不安が幾らかある。

  <吹上高原キャンプ場>

  鳴子温泉を過ぎるときに、川沿いの公園でテントが張れそうだなと思う。しかし、昔のように野暮な事をしなくなってしまった。結局、最悪の場合の避難場所に…と思いこの先の鬼首に向かう。吹上高原のキャンプ場を誰かがいいよと言っていたか、逆にダメよと言っていたのか…。とにかく希望を持って行ってみる。

  料金を訊ねたらゴミ処理費用を入れて650円という。綺麗な芝生の広場でこれはラッキーな所だ。お金を払って芝生の中に入りさてテントを…と思ってふと前を見たら何とそこにはエリザベスの姿があったから驚きである。彼女はのんべえで、駆けつけに自分用に買ったビールを振る舞ってくれた。

  心のなかにサバイバルとか走りとの闘いとかいう言葉があったが、そんなものよどこ吹く風か…という感じで人間的な気分に浸かり始める。


  ■激走・栗駒付近<東北>  
  99/08/2013:18

  8月9日。

  お天気もよく、エリザベスと一緒に北に向かう事にしました。「ゆっくり走ろう、のんびり温泉に入ろう」というのが合言葉になりました。朝露も付かない気持ちのいい朝でした。そうそう、もずしんさんの東北レポートから推測するに、もしも私が、この日、最初の予定通りに八幡平を越えていたら、ニアミスだったのではないかと思います。

  <吹上高原キャンプ場>

  私のお薦めキャンプ場です。これから東北を目指す人はチェックしておいてね。そういう訳でまた今度東北に行くならこのキャンプ場に2~3泊しなければもったいないようなところ。帰り道で確認のために寄った徳良湖も一緒にして、絶好のキャンプ施設であることを皆さんにお伝えしたい。歩いて1分のクアハウス・温泉(¥530)もあり、すっきりできる。(徳良湖のことは後で触れるつもりです。)隣で設営していたエリザベスさんは凄いたくさんの荷物で、私の倍ほど持ってる。しかし下着は3日分で、必要に迫られなければ汚ねぇー格好も平気?らしい。その点私は5日分持ってる。しかし、実際には着替えてないから彼女とさほど変わらないほど汚い。お盆あけまでかかって北海道も回ってくる計画だそうで、彼女にとっての東北はウォーミングアップみたいなものだな。その彼女の荷物の中にドリッパーがあって、朝から美味しいコーヒーをご馳走してくれた。旨いと言ってはしゃぐように喜ばなかったので、入れてくださった人に感謝が無いみたいですけど、凄く美味しかったよ。(この文をエリザベスは多分、読まないような気がするが…)

  このようにコーヒーなどを飲んで朝にゆっくりするなどということは私がソロの場合にはまず無い。日の出前にはテントを畳みたいと思っている人って多いんじゃないかな。朝って出発しないと落ち着かなくって…。

  カワサキのGTR?に乗った栃木だったか群馬の人と近くになって何度か会釈を交わした。連泊することになりこの日の夕方、彼から聞いた話では、ねぶたを見てゆっくり東北を下ってきたそうである。みんないい旅をしてますわ。彼の朝はのんびりしていて、何だか、朝食を調理していたみたい。

  <まず栗駒方面へ>

  吹上高原から北東の方に向かって走って栗駒温泉郷に向かう。数キロほどのダートが残っている。フラットなのでVFRでも速い速い。いや、彼女自身が速いのか。私はゆっくり走るので申し訳なくて先に行かせたら追い付けないよーって感じ。国見峠を越えて花山湖畔に出て湯の倉温泉方面を目指す。

  <温湯と湯の倉温泉>

  温湯は一軒宿で佐藤旅館というところがあるだけです。こちらでも温泉に入れる。しかしもっと秘湯に行きたいもんなあ。

  湯の倉温泉は確かに秘湯である。自動車が通れるガタボコ道から徒歩に変わってひとつの小さな山を20分ほどかけて越えて行かねばならない。旅館の荷物運搬用にキャタピラーの運搬車が通るだけで、バイクならば走れそうだが許可をしてくれないだろう。Tシャツが絞れるほど汗をかいて温泉に辿り着いた。

  お湯は、びっくりするモノでもない。河原の風呂は混浴なのでエリザベスは内湯に入っていた。河原の露天風呂には虻(あぶ)がたくさんいて長く浸かってられない。料金を払う前におばちゃんが「虻がいるよ」と教えてくれたが、一生懸命に歩いてきたんだから入るしかなかった。タオルをバイクに忘れたけど、おばちゃんは快く貸してくれるというし。入浴料金は500円。この時に虻に刺された箇所が幾つもあって、今だに赤く腫れてカサブタのところもある。

  当然、帰路も汗だくになって歩いた。これでもかというくらいゆっくり歩くが、靴擦れをして指が痛い。大きなカエルや蛇にも出会いながらの山道散歩でした。Tシャツを脱いで絞って、木陰で休憩をしてから出発となった。秘湯感では乳頭温泉郷よりかなり山奥にきた感じがする。

  <小安渓の大湯温泉>

  花山峠を越えて大湯温泉でバイクを止めた。こちらも河原の露天風呂だ。雨降りが少なくて7月末からずっと降っていないから、河原の湯が熱いらしい。本来ならもう少し温いお湯だったのかも知れない。女将さんは早く雨が欲しいと嘆き気味だが、バイク人はそうあっても困るし…。

  女湯の露天風呂が簾越しに丸見えなので、エリザベスにそのことを教えてしばらく湯に浸かって出た。湯の倉温泉と同様、虻が飛んでいるが、湯に入っておれないほどではない。湯上がりのかき氷が旨かった。でもその後にどこかで売っていた氷より100円高くて250円だったので、後で少しショック。昨日、水やらジュースやら氷などを食べ過ぎてややお腹が緩くなっているので慎重にならねばならないのだが、暑いとついつい手が伸びてしまう。(この日は3度トイレに入ったなあ~。)

  <稲庭うどん>

  もしもエリザベスがいなかったら、この快適な栗駒の山岳道路を楽しんでからもう少し北に向っただろう。やはり青森に行きたい気持ちが昨晩まではあったので今夜あたりは八幡平に行っていたかも知れない。しかし、人と走るとペースは格段に落ちて、ゆっくり食事をしたり湯に浸かったり・・・となる。それはそれでのんびりしている。

  稲庭うどんは去年も食べて今年も食べている。冷たいうどんを注文した。麦茶が旨くて、4~5杯飲んでもまだ欲しい。喉がカラカラに渇いているので水分をたくさん取るけど、少しもおしっこになって出てこない。うどんを食べた後、少し北上して彼女は夏油温泉を目指すべく仙北街道(R397)東に行ってしまった。私は須川温泉を経て栗駒に戻るようなルート(R342)を選んだ。

  <須川温泉>

  花山峠から須川温泉のほうへ道がある。昔のスカイラインで、何だか走ってみたくなるような道だった。大きな山の中をさっそうと走り行く山岳道路だ。秋の景色を想像すると身震いするほどブナの林が元気だ。

  須川温泉から時計方向に国道を回って花山湖の方に戻ってくる。真湯温泉などにはキャンプ場や遊戯私設があり、人がいる。道路は混雑もせずのんびりと走れた。栗駒峠から真湯温泉あたりまでは、カーブもそれなりに楽しめてご機嫌だった。(お腹の具合が悪かったけど…)

  この後、一関には行ってしまわず、途中から「駒の湯」の方に右旋回して、岩手県から宮城県に移り、栗駒ダムから少し下った駒形根神社というところあたりから、さらに文字村を走り抜けて行く。それはそれは…実は凄くセンチメンタルに走ったのだが、そこには深い理由があったのだ。何故にこんな色の無い道路を選んで走ったのか。

  最初におじいさんに道を訊ねた。「昔の文字村だねぇー」と言う。「そんな所をわざわざ通って行かなくても大きな道路を行けばいのに」 私のこの村への執着が伝わらないのは仕方がない。また別の所で中学生に道を尋ねてみる。「この道をまっすぐに行ったら沼がありますから、そこを左に曲がって下さい」という東北訛りの子だった。そういう人間味を少しだけでも味わいつつ、夕暮れも間近な村を走って文字村に向かった。

  <センチメンタル>今回の旅の大きな目的は、この栗駒の区域にある「文字村」というところを訪ねてみることにあった。いつまでも昔の女の子の話を書くとお叱りを受けるだろうが、その女が誰であったとしてもいいじゃないですか。ひとりのセンチな旅の話を少しだけ書き留めておきたい。

  一度でも惚れた人をそう簡単に憎く思ったり嫌ったりは出来ない。別れがどんな形であれ、私の感性を刺激した女性である。その人と、

  ---また何年後かの同月同日にこのキャンプ場で逢えればいいね

  ---私のお父さんは文字村の生まれで、行ったことがあるかもしれないけど記憶にないの。

  いつか一緒に行けたりらいいねなどと話しあったドラマのような記憶が頭から離れない。「未練があるのか」と何度も問われて、その都度「未練などない」と答えてきた。本当に未練という感情は、今の私にはなかった。その愛が成就できるなどという夢は諦めていた。心の中に生き続ける人の面影をそっとさりげなく、ひとりで走ってみたかったのである。

  私はこの事を誰にも秘密にしておきたかった。しかし、書いてしまって肩の荷を下ろしてしまいたい気も持ち続けていた。今はもう彼女に恨みも持たないし、悪言も書くつもりもない。過去を溯って怒るつもりもない。

  文字村を噛みしめて味わうように私は走った。これ以上は書かないが、また東北に行くことがあったら、必ずこの村を通りそうな気がする。いや、逆に悲しくなるからあれが最後になるのかも知れない。今の私には何とも言えない。

  <今夜は…何処へ>

  吹上高原キャンプ場にするつもりではなかった。徳良湖まで行こうと思っていたが、危険を冒すより確実な吹上高原の方がいいだろうと思い鳴子温泉街で買い出しをしてキャンプ場に向かった。

  <吹上高原キャンプ場…連泊者は安いのよ!>

  ほんとうは午前中くらいに言うのが望ましいらしいが、連泊者は昨日が650円だが、今日は250円に割り引いて泊まれる。これは有り難い。この素晴らしいキャンプ場がこの値段ですぞ。そういう訳で今夜は誰とも話し相手がいないけど、勝手も少しわかってきたキャンプ場で随分とくつろいだ。温泉にも浸かりに行った。空には雲が多くて星はあまり見えなかった。

  その夜、私のセンチな心、高ぶる心はかなり静まって、消えてゆきつつありました。もう帰ろう…旅を終えよう…と、思いながらひとり眠っていきました。


  ■激走2420キロ <東北>99/08/2023:24

  <ひとりごと・読み飛ばしてください>

  ツーレポ(日記)を書く私が、ひとりでセンチになってしまっている。これを他人に伝えようとしてはいけないのだろうことはわかっている。しかし、旅を終える後半を綴ろうとしながら、昨日の文字村のあの感情が甦ってきて、少し沈みがちである。みんな、旅から帰ってきた。北の国に行ってた人たちも南に行っていた人も、暑い夏に走って、その夏を終えてゆく。私だって、センチなことを言っておれない。もう、秋を楽しみにしている人もいるのだから。

  ---◇

  この旅で或ることを私は思い続けながら走ります。それは、家族を置き去りにして、こうして東北を自由に走っていることに感謝しなくてはならないという事です。そして、そういつまでもこんな勝手気ままな旅を続けるのではなく、もう少し旅の形を変化させて行かねばならないのではないか、と思うのです。これは私独自にいえる事で一般に当てはまるものではないのですが。◇キャンプが楽しく面白かった、サバイバルで味わいがあった、貧乏でも旅を続けられる、そういう旅にあるところでピリオドを打たねばならないのかも知れない。そして、回数を減らしたり資金をやりくりして家族の望む旅と私の旅を共存させてゆけないものか、と考えます。バイクはそのまま乗り続けますが、例えば家族は車でホテルを利用する。期間も短くするとか、飛行機などを利用してレンタカーなども使ってみるとか。◇そうなってくると、今回のような数万円の旅ではなくその数倍の費用が掛かってきます。収入が増える見込みはまったく無いのだから、回数を減らして重みを上げていくという事などが考えられます。

  ---◇

  つまらんことを書いてしまいました。読み飛ばしてくださいましたか?さて、吹上高原キャンプ場から、鳴子温泉に降りてきて、山刀伐峠を越えて走ります。<徳良湖・偵察>銀山温泉の近くに徳良湖という小さな湖がある。周りは比較的平坦で、湖畔には綺麗なキャンプ場がある。いいところだと聞いていたので今後のために偵察に行きました。芝生のキャンプ場で200円だそうです。これは銀山温泉を攻める時には有効にに利用できる。また来るときにもチェックしてから来るべきだ。

  <関山峠>

  東根温泉あたりのR13は随分走り慣れてしまった感じで、もうすぐ道の駅があったな~なんて思いながら休憩タイムを計画している。朝のうちは涼しいのでトントンと距離を稼いで関山峠に向かう。結構、トラックが多かったように思う。キャンプが続くと眠気が襲ってくるようになる。こういう時にトラックの後は辛い。

  作並温泉の街並みを通り抜け、ニッカウィスキー工場の脇を通ってから二口街道方面に曲がった。さて、二口峠を越えるか、笹谷峠を越えるか、少し悩んだ後、結局、更に南の蔵王に行ってみようと考えを変えた。

  <蔵王>

  二口峠を越えてしまうと、今度は蔵王を越えて東に戻って来るので、そんなに東西を行ったり来たりしてると帰れなくなってしまうので断念。笹谷峠は車両通行止めだったので結局、通り慣れた蔵王にしたというわけだ。蔵王には何度も来ており、今回も地図なしでもどのあたりに休憩場所があるかなどがわかる。蔵王高湯にも寄らずに東から西に走り抜けただけで、上山市を経て金山峠に向かう。

  <金山峠>

  さすがに上山市に降りるとまた汗が吹き出した。しかし、県道でも国道でもない道路(地図の白い道)を走っているとまだマシかな。金山峠には湧水があった。ありがたい。峠の南にあった鍵清水よりも北側にあった普通の湧水が美味しかった。昨日、下痢をしたのに懲りずに飲んでいる。

  <二井宿峠>

  峠を東から西に越えて米沢の街に出た。給油の必要があったのでぶどうまったけラインを断念した。広域農道を走り慣れてきたので、地図を見て田舎道をここでも楽しんだ。しかしスタンドが見つからずどんどん福島側に(山間部に)行ってしまう。

  <峠駅へ>

  R13を福島市に向けて走る車は多い。福島県側のトンネルで工事をしており渋滞が続いていた。その渋滞の手前で峠駅方面(板谷峠)への分岐点があって、ちょうどそこにGSもあった。幸運だった。板谷峠へと国道からそれてぐいぐいと狭い峠道を上っていく。先ずは峠駅で峠の力持ちを食べた。結局これが昼飯となる。2時か3時頃だったけど。普通の大福餅で、まあ話の種ですな。

  <姥湯へ>

  滑川温泉にするか姥湯にするか。地元に人、何名か聞いたが、どっちもいいという。奥の姥湯を選んでみたが、如何な判断だったか。温泉は道の行き止まりにある。そこから徒歩で数分。大きな岸壁が見える。その下に一軒宿の温泉があった。秘湯といいながらも今回のツーリングでは一番人が多かったという皮肉な形になった。二十歳代の若い男女から私の両親ほどの皆さんがいる。ちょっと硫黄がきついのと湯が熱いのであまりゆっくりできなかったのが残念である。乳頭温泉郷の鶴の湯と似た泉質だが、こちらの方が崖の下にあって自然の中に放置された感じだ。鶴の湯は同じように自然の中にあっても、山あいに佇む文化のようなものを感じる。

  <みさとYH>

  今夜はYHにした。天気予報を見たかったからである。しかし、YHに少し早く着いた事もあって、暇で暇で仕方がない。宿泊者は私ひとりだった。YHにはおばあちゃんとおじいちゃんがいて息子が東京から帰省していて、そういう家族の中での食事だ。決して旨い夕飯だったとは思えないが、久しぶりに家に帰ったような気分だ。ただ、YHのペアレントさんはもっと現代の社会の中に出て、ひとり旅をしてくるのがいいのではないだろうか。お話をしてくださる内容は貴重なものであるが、どうも面白味に欠ける。暑がりの私は冷房のない居間に長居をするのは辛かった。仲間もいなければYHは寂しい。このYHでは何もすることがないので9時過ぎには眠った。朝、4時頃に目が醒めて、5時過ぎには出発した。旨く走れれば一気に長野を抜けて三重県まで(深夜になってもいいから)帰ろうと考えていた。


  ■激走2420キロ <東北>  
  99/09/0621:36

  レポートを読み返してみた。

  <姥湯へ>

  滑川温泉にするか姥湯にするか。地元に人、何名か聞いたが、どっちもいいという。奥の姥湯を選んでみたが、如何な判断だったか。温泉は道の行き止まりにある。そこから徒歩で数分。大きな岸壁が見える。その下に一軒宿の温泉があった。

  滑川温泉には自炊宿があって、私の知人が泊まっているレポートを先日、再び読んだ。ここに行った時にこのレポートをすっかり忘れていたのが悔しい。

  思い出せば、みさとYHに行かずに滑川温泉に泊まっただろうなあ。

  今度に行くときは絶対に滑川温泉・自炊部に泊まろう。

  ★秋に行く人にはお薦めしておきますね。


  :■帰路は暑く長い<東北>(1)  
  99/08/2521:09

  |この道の先に

  |夢の続きがあるから

  |遠回りでもいいさ

  |それぞれの輝きへ

  過日、娘がCDをレンタルしてきて、そのダビングを手伝っただけで覚えてしまった曲で、V6の最近のヒット曲である。このツーリングでは、この歌のこの部分ばかりをよくくちづさんだ。

  他には、槙原敬之のハングリー・スパイダーっていう歌もよく唄った。自分は蜘蛛で、自分の巣にかかる可愛い蝶の娘を、心だけ食べて逃がす時の切なさを歌った曲である。ご存知の方も多いと思う。これらの曲の(マイナーな)旋律と哀しい詩が私の心をセンチにさせた。

  そうそう、ブレッド&バターが8月6日の長崎のコンサートに出演していて、彼らの歌も唄った。正確な歌詞をひとつも書けないのが残念だ。そのコンサートで、スティービーワンダーに作ってもらった「心の愛」?も唄っていた。 

  「I just call to say I love you..」という詩は素晴らしい。「電話をかけたんだよ、あなたと話がしたかったんだ…」なんてさり気なく言えたらどれほど幸せだろう。そういう熱い恋に燃える日々もあった。(遠い昔の、やはりその話も東北で…)

  ひとりごとはいつまでも続いた。意味もない言葉を次から次へと繋いで、いったい自分をどうしたいというのだろうか。もうこんな自分は棄ててこようと思いながら帰路を急ぐのか、家が恋しくなったのか。さあ走るぞ、と元気を出している自分があるのだった。

  <福島県を走り抜ける>

  さて、今日は福島市街を早朝に走り抜けて、土湯峠を越えて猪苗代湖方面に出ようとしている。時間があれば、湯野上温泉や湯の花温泉に寄りたいと思っている。土湯峠から猪苗代の方を見下ろす景色はなかなか綺麗だ。何度も通ってきた道だけどバイクを止めてひと息ついた。実際には、猪苗代湖畔・東側道路を通り、勢至堂峠と鳳坂峠を越えて湯野上へと出た。朝の涼しい時間帯だったので苦痛は少なかったが、あまり予定に入れていなかったコースだったので印象が薄くなってしまった。途中に「二股温泉」への案内表示が出ていた。急がない旅であれば絶対に寄る温泉だろうが、この時はまだ一気に三重まで帰ることを想定して(迷っていた)いたので、やや急いでしまった。いつか来る日の宿題。

  福島県のこういう鄙びた道路の脇には煙草の畑が目立つ。やや黄に変色しかけているが、あの大きな葉ッパはまさしく煙草である。とうもろこしほどの背丈で、まだ花も咲かない。太い茎や葉ッパだけが目立つ。煙草は、夏の終わり頃に小さな白い花を咲かせるそうです。そういう畑のあぜ道を彩るのが「月見草」であった。可憐なこの花は、ツーリングの安らぎでもある。道端で消毒剤をまいていたおじさんに道を訊ねたついでに花の名前を聴いたらノータイムで答が返ってきた。

  <湯野上温泉>

  久しぶりだったので寄ってみた。昔、ここを通りかかった時にガイドブックやツーリング雑誌などに掲載されているかどうかを知らずに、私自身で見つけた河原の露天風呂である。今回は昔よりも少し綺麗であったが、温泉組合が用意して下さっていた洗面器は無かった。そこには昔のように苔は生えていなかったが、お湯が熱くて…あまりゆっくり浸かれなかった。関東から来たスクータの男性と並んで湯に浸かって、少し話をして、彼は北へ、私は南へと別れた。

  <六十里越え>

  湯野上温泉に入ったからか、汗が吹き出してきた。この後、湯の花温泉も考えていたが、駒止トンネルを抜けて只見に出てしまうことにした。久々の六十里越え街道である。初めてこの峠を新潟県・小出から只見湖下流に向かって越えた時の感動が甦る。あれから幾つもの峠を越え、山あいの村を訪ねてきた。多くの人と語り、私の旅の姿も変化してきた。険しく、長く、寂しい峠に思えたこの街道も、今回の旅ではそれほどでもなく、工事箇所の対面通行を幾つともなく抜ける度に、この道路が整備されていくことによって街が少しづつ姿を変えていくのだろうと想像した。50年後には、日本の山岳街道はどうなってしまうのだろうか。そんなことを考えながら走って行く。

  <新潟の道>

  小出から六日町、十日町を越えて、野沢温泉村を経て野尻湖、戸隠方面に向かう。津南を少し過ぎたあたりで湧水があったので止まった。水質検査表示付きの湧水をたくさん見かけた。ここも表示があったので安心して飲んだ。思いきり飲んだ。お腹がドボドボになって身体がぐーんと冷えた。頭から被ると身体じゅうが冷えて効果が高いかも…と思うが如何だろうか。

  途中、福島からゼファーでやってきていた若い男性とコンビニで少し話をした。白馬まで、高速に乗っていくと彼は話していた。それを聞いて私も高速に乗って一気に家を目指すことも考えたが、やはり貧乏旅だから、思いとどまり信濃川沿いを上って行った。

  <戸隠で雷雨に出会う>

  さて、今夜は三重県までは帰れそうにないぞということがわかってきたので、信州の何処かで野営をしなくてはならない。野尻湖に行ってみたが、遠くから見ると静かに見えた湖畔も、傍まで来ると人が多く立派な観光地だった。これではキャンプ場も高額だろうと思い、買い出しだけをして戸隠に向かった。しかし、戸隠のキャンプ場は去年私が見た様子とはまったく雰囲気が違った。理由は、あの時は夜中に到着して入口あたりにテントを張って早朝に出てきたため、ほんの一部しか見ていなかったからである。早速、管理事務所にいって値段を聞いたら1200円と言ったかな。即座に利用を断念し先を急ぐ事にした。ところがそこからしばらく走って雷雨に遭遇するのである。大望峠の手前で降り出した。峠を越える頃は本格的だった。しばらくしたら目の前で雷が落ちるし、雨はバケツをひっくり返したように降り続くし、あっと言う間にカッパの中まで浸水し始めた。何のことない、前のファスナーが開いてたのであるが。このまま走ってもあかんし怖いのでバス停の小屋に逃げ込んだ。それでも雨は降り続き、落雷も近かった。地響きのような轟音が続く。またしてもおやきを食べられなかった。残念だ。いろは堂。

  <浅間温泉YH>

  おばちゃんがカブで通り過ぎるのを見て、決意してまたカッパを着て走りだした。あたりに宵闇が迫っていた。オリンピック道路に出て大町に向かう頃には雨はあがったというか、このあたりは降っていなかったみたい。戸隠でキャンプをしていたらズブ濡れだったかも知れない。私のテントでもあかんが、あんなに遅くに行って空いたところを探して張ったのでは、いい場所などないし。

  さて、大町に出た頃にはすっかり夜も更けて、池田町の道の駅に着いた頃には7時を回っていた。ヤンキーなカップルが公衆電話の前でイチャイチャしている。女の子が可愛いな。私、ショートカットの茶髪が好きみたい。そこで浅間温泉YHに電話をしたら、本当は8時までなんだけど受け入れてもらえた。8時10分頃に着いた。買い物をして、ポテチで夕飯とした。YHのお風呂は湯舟に10センチほどしか湯がはってないんですよ。つまりはみんなが温泉利用ってことでしょうね。

  酒を飲んでぐうたら話をするうちに眠ってしまった。お酒をいつもより多めに飲んだろうから、同室の人をいびきで悩ませてしまったかも知れない。あくる朝の冷たい反応が物語ってる。


  ■旅の終わり <東北>  
  99/08/2618:33

  <帰路総括>

  お尻が痛い。もはや、擦り傷の状態である。きっとマメになっているんじゃないだろうかとさえ思えてくる。家に帰ってうちのんに見てもらったら、一目見て擦り傷になっていると言った。

  浅間温泉YHを出る時、空が曇っていたけど、雨でなければ乗鞍高原方面から野麦峠を経て、御岳山を楽しんで行こうかと思ったりしていた。しかし、空模様は良くなる気配がないだけでなく、安雲野のアルプス街道を走るうちに雲が下りてきて、ポツリポツリと雫が落ちてきた。しかたなく、中仙道を走り、来たときと同じようなルートで家路を急ぐことになった。途中、松本空港のすぐ傍に綺麗な芝生の公園があったのを書き留めておこう。

  塩尻市を通り抜けて、どこあたりかをすっかり忘れたが、雨具を着た。山の中のR19は雨であった。涼しい日を求めていたのに、雨になると文句を言う。普段の仕事態度みたいで、反省も多い。

  中津川の近くまで来て雨具を脱いだ。名古屋方面は降っていないみたいだ。瑞浪から岐阜羽島まで高速道路を使った。お盆の帰省ラッシュが始まり、またお盆の旅に出かけるバイクにもたくさん出会う。ラッシュのせいで名神高速道路は混雑している。路肩走行は厳重注意だと肝に銘じて走ると、可哀想に1台のバイクが捕まっていた。道の駅で私が追い抜いたのだが、先に高速道路に上がったのだろう。気の毒に…。捕まったら困るので路肩を走らず、追い越し車線と走行車線の間をゆっくりとすり抜けで走る。その後は木曽川の河川岸の道路からR23と走った。お昼過ぎに家に着いた。

  <あとがき>

  長いレポートになりました。読んでも面白くない所もあれば、少しは興味を抱いていただけた箇所もあろうかと思います。

  本当にお尻が痛かった。ただれてしまってました。これからは子供用のお風呂のマットをカットして持って行こうかとも思います。なかなか実行できないけど。

  暑かった。それでへたばってしまったのが残念だ。体力や気力、執念が薄れたのかとも思う。帰ってからFBIKEで、もずしんさんのレポートを読むと、やっぱし3日目に私も十和田を目指すべきだったかな、とやや後悔してます。そこで1日ゆっくりして、帰りは急いで帰ってくるというのが今回の正解パターンだったかもしれません。

  今度、東北に行く時は、家族も連れて(車&バイクで)行きたい。名古屋~仙台のフェリーを利用する事を考えようかな。

  これからお出かけになる人のお話を肥やしにして次回からの東北を考えたいと思います。

  長いレポート、読んでくださった皆さん、ありがとう。

  PS:会計報告を最後に付けておきます。何にも食べずに走ったんだなって思います。毎度のことながら…。


  ■支出ノート<東北>  
  99/08/2618:33

  8/7sat:

  木曾路~安雲野~鬼無里~戸隠~信濃川沿~三条市~新発田

  ¥400大治南~勝川(東名阪国道)?

  ¥210昼食(こんぶ・おにぎり)コーヒー牛乳セブンイレブン12:53

  ¥120ポカリ鬼無里・山中?

  ¥130アクエリアス新発田20:??

  ¥579Kビール、ASDビール清水フードチェーン21:45

  ¥1439

  GS_CARD12.2L四日市日石07:59

  GS_CARD10.3L大町市出光14:04

  GS_CARD8.0L三条市出光18:57

  8/8sun:

  湯沢温泉~蕨峠~スーパー林道不通~温海町~鶴岡市~鬼首温泉

  ¥150湯沢温泉(荒川温泉郷)村営公共浴場08:??

  ¥220?おにぎり、レモンティー?09:??

  ¥80牛乳道の駅??:??

  ¥250?焼きそばパン、マミー瀬見温泉付近PM

  ¥150かき氷道の駅16時ころ

  ¥110コーラ道の駅16時ころ

  ¥650キャンプ場(ゴミ処理費含)吹上(鬼首温泉)18時頃手続

  ¥1600ビール現地売店ーー

  ¥3210

  GS_CARD6.9L小国町日石09:54

  GS_CARD10.0L最上郡最上町日石16:42

  8/9mon:

  湯の倉温泉~大湯温泉~稲庭~須川温泉~文字村~鬼首温泉

  ¥500湯の倉温泉栗駒秘湯10時過ぎ

  ¥400大湯温泉小安峡近く12時前?

  ¥250かき氷大湯温泉 〃

  ¥730稲庭うどん13時過ぎ

  ¥1160夕食買い出し(ビールなど)鳴子温泉17:44

  ¥250キャンプ場(連泊手続)吹上キャンプ場夕刻

  ¥630温泉、ロッカー代(¥100)含隣接温泉夕刻

  ¥3920

  GS_CARD11.0L鳴子温泉手前日石17:24

  8/10tue:徳良湖~関山峠~蔵王~上山市~金山峠~板谷峠~姥湯~霊山町

  ¥260朝食(パン、カフェオレ)仙台熊ヶ根駅前09:32

  ¥380峠駅・力持ち(大福3個)15時ころ

  ¥400姥湯温泉↑のあと

  ¥3650?みさとYH夕刻

  ¥400ビールYH夜

  ¥5090

  GS_CARD11.8L米沢市出光13:37

  8/11wed :

  みさとYH~土湯峠~猪苗代湖(東岸)~勢至堂峠~鳳坂峠~:湯野上温泉~駒止トンネル~只見~六十里越え~小出~六日町~十日町~野尻湖~戸隠~鬼無里~浅間温泉YH

  ¥120コーラ湯野神出発後まもなく?

  ¥120スポーツドリンク津南?

  ¥120コーラ??!

  ¥250パン&コーヒー牛乳北魚沼郡広神村12:22

  ¥1000テレカ信濃町(野尻湖近く)

  ¥286ポカリ、カップラーメン 〃16:29

  ¥600ビール 〃↑の直後

  ¥3300?浅間温泉YH20時過ぎ

  ¥302ポテチ、チュウハイYH近くのコンビニ20:21

  ¥6098

  GS_CARD9.2L会津郡田島町日石09:40

  GS_CARD9.4L野尻湖近く出光16:10

  8/12THU:

  浅間温泉YH~中仙道~岐阜羽島~自宅へ

  ¥500吉野屋・牛丼瑞浪市?

  JCB_CARD

  ¥1350瑞浪IC~岐阜羽島IC

  GS_CARD8.8L中津川日石09:57

  合計

  現金支出

  8/7¥1439

  8/8¥3210

  8/9¥3920

  8/10¥5090

  8/11¥6098

  8/12¥1850

  TOTAL¥21607

  ガソリン・給料引き分

  8/7

  GS_CARD12.2L四日市日石

  GS_CARD10.3L大町市出光

  GS_CARD8.0L三条市出光

  8/8

  GS_CARD6.9L小国町日石

  GS_CARD10.0L最上郡最上町日石

  8/9

  GS_CARD11.0L鳴子温泉手前日石

  8/10

  GS_CARD11.8L米沢市出光

  8/11

  GS_CARD9.2L会津郡田島町日石

  GS_CARD9.4L野尻湖近く出光

  8/12

  GS_CARD8.8L中津川日石

  TOTAL¥8393=97.6L×@86参考値2420Km

  走行距離24.8Km/L燃費

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1999年の東北ツーの 姥湯温泉の写真が出てきたので残しておこう。 後ろにいる人は、知らない人ですが、和気藹々と女性でした。 そんな時代もあったのだ。 [続きを読む]

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