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2009年2月 8日 (日曜日)

燕温泉->乙見山峠->小谷温泉->猿山燈台

  *期間:2000.08.06~08 

  *ルート: 野麦峠->安雲野->燕温泉->乙見山峠->小谷温泉->猿山燈台->油坂峠

  *はみ出し記事: 「いろは堂」(鬼無里)のおやき


  <概略>

  とにかく暑かった。やっぱし、夏に走るのは根性が必要や。それに加えて、執拗な夕立にすっかり負けてしまいました。

  一気に北越まで行くのを目標にしていたにも関わらず野麦峠で(何故、ここを選んだかにも疑問があるが)すごい夕立で、カッパ内に浸水。

  安雲野を走りながら乾いてゆくが、白馬の道の駅でもまた夕立に遭遇。バイクと私を屋根の下に入れて、腰掛けてウトウトしたら、あっと言う間に夕方でした。

  白馬の里YHで考えた。燕温泉と小谷温泉と蓮華温泉をひと筆で繋ぐ方法はないものか…。

  そう、鬼無里の「いろは堂」に寄れば解決する。しかし、ますます、東北は遠ざかったな。でも私には猿山燈台がありますから、能登を目指せばいい。

  蓮華温泉への気合いは、二日目にまたもや私を襲った夕立のせいで断念。トンネルを出たら豪雨だったってぇのは初めてでした。

  今回のレポートは、ぼちぼちと書きます。


  信州を突っ切ろう

  準備をする為に5日にじっくりと荷物の整理をした。これは、正解だったと思う。無駄な物をたくさん持っているし、ひょっとしたら…てな調子で何でもかんでも入れているのを、思い切って放り出した。すると、着替えを5日分入れてもまだまだ入る余裕が生まれたので、お土産用にと思いそのまま空きにして、使用頻度の高い物を、ボックスの上に縛り付けているタンクバックに分けて入れた。予定では、5日(3万円)と家族に公表していたが、ツーリング基金に1万円の余裕があったので、もう1日くらい余分に走ろうと思っていたのに、あれこれで予想外の3日間となった。

  夕立が続いてしまっていとも簡単に断念する様になったのは、たぶんずっと昔からの事で、それよりも今回の東北行きにはやや情熱にかけたものがあったのだろうと思っている。過去にもこんな年があったことだし。

  信州のツーレポを読んだのが頭にあったし、何よりも能登半島にもしも行けば二十数年ぶりになるので、ふと懐かしさが沸いたのだろう。

  長く走ればいいというもんでもない。残ったお金はツーリング基金として残しておく事にして、能登をまわったら早く帰ってもいいかな。そんなわけで、二泊三日と、近年では珍しい短期ツーリングであった。

  家を出て走り始めた頃や、美濃のたんぼの中を快走している時は、「風の中で待っている♪…」なんて唄いながら飛ばしていたのだ。稲穂が花を咲かせてしきりに花粉を飛ばしている。黄色く色づき始めた水田に、独特の匂いを漂わせる。

  夏は、真っ赤とかオレンジではなく、意外にこの黄色が良く似合うような気がする。かぼちゃの花が咲いている。これが真っ黄だし、月見草も淑かに黄色。色だけを好みでいえば決して好きではないが、灼熱の中で汗が首を伝い落ちる時に何故かほっとする色だった。信州に入ると、煙草の葉やとうもろこしの黄色が目立つ。

  今回は19号線を北上して、諏訪に出るルートをやめて、飛騨街道を走ることにした。ただし、安房峠は混雑が予想されるので野麦峠にしてみた。さほど遠回りでもない。しかし、そこで私を待っていたのは激しい雷雨であった。

  林檎の畑の中を走る日本アルプスサラダ街道…。松本の盆地がくっきりと見渡せる。しかし、行く手には、真に鮮やかで芸術的な入道雲が三千メートルの峰峰を装飾するように点在している。

  雨の前に涼しい風が、すっと吹いてくる。幽霊が出る時の風よりもさっぱりとした涼しい風だが、私の願いを叶えてくれるはずもなく、激しい雷音とともに近づいてきた。

  朝から食事をしていなかったが、北越を目指す私は食べる欲をそれほど持っていなかった。ただ、ひたすら走り続けることしか考えていなかったところで、幸せか不幸せか…、水しぶきを見ているだけで、気持ちが爽快になるほどの夕立に遭遇した。肘を着いてひとしきり眺めていたが、やがて居眠りをしてしまった。

  この日はチーズリッツをふたつみっつほど食べただけで、YHでも早々に眠ってしまう。


  白馬のYHに

  前から燕温泉には行きたいと思っていた。そして、乙見山峠にも行きたいと思っていた。東北を断念したので、そこをまわる方策を考えながら夜は老ける。YHには、ひとりの宿泊者は私以外になく、ひとりで部屋を使わせてもらった。やや、寂しい気もあるが、ビジネスHと較べたら三千円は安いな。

  地図を見ながらビールを飲んでいたら、ヘルパー(お手伝い)を兼ねて遊びにやってきている親戚の中2の男の子がいたので少し話をした。奈川村から白馬のおばさん(このYH)に来ている事。長野の子は小学校で登山やスキーをする事など、丁寧な言葉使いでしっかりと話してくれる。旅先で話しかける相手に、おばあちゃんや子供を選んだら、正直な話が聞き出せる。この子と話をしていい夜が過ごせた。

  いろは堂

  YHを出て、鬼無里を目指した。いろは堂のおやきを食べによれば、ルートがひと筆書きになるので、迷いもなく鬼無里に走りだした。いろは堂は、思ったよりも大きな店で、商業化された店舗だった。なんだ、有名な店なのか…と幾分がっかりしたものの、おやきの味は格別に旨かった。

  「野沢菜」と「野菜ミックス」とを注文したけど、「あざみ」をおまけに付けてくださった。これが噂のサービスか。。。「あざみ」は、非常に美味しかった。ぜひとも多くの皆さんに賞味して戴きたい。

  建物はクラシックな造りで、ご主人に訪ねたら築後約十年だそうだ。でっかい駐車場もあった。お薦めや失作などを時におまけとして付けてくださることがあると聞いていた。そのサービスで戴いた「あざみ」が一番に美味しかった。

  「うど」をお味噌であえて食べますよね。あんな味です。少し苦みがあって、その上に微かな甘味がある。このあたりでは「あざみ」を春に採取して保存して一年を通じて食べるらしい。

  去年の今ごろ、凄い夕立で目の前に雷が落ちて、非難したバス停の前を通過しながら、戸隠を通って、燕温泉を目指した。

  燕温泉へ

  鬼無里を走りながらも、まだ東北を諦め切れていなかった。まだ今からでも山形を目指せば…と何度も思った。

  しかし、無料、混浴、温泉、乙見山…と私を誘惑する煩悩が襲ってくる。これから発達する積乱雲の子どもが空に生まれ始めているのがハッキリわかる。今なら夕立までには時間がある。誘惑を一気にクリアするのは今しかないのだと心に決めた時が、東北を本当に諦めた時だった。

  そういうわけで、能登にも行くという夢が実現し始めます。

  燕温泉の露天風呂は期待レベルで良かったです。5分ほど歩くと温泉のある谷筋が近づいてきます。ジパングツーリングには徒歩20分と書いてあるけどそんなに歩かない。(河原の湯)

  お湯が白濁で、一緒に浸かっている女性の皆さんも、身体にはタオルなどを纏わずに入っているようです。おっぱい(の先)も見えませんから、透明度は殆どないほど濁っている。かなり、硫黄臭がきつい。嘗めても独特の味がします。白濁のお湯の特徴でしょうか、肌にややピリピリとするような感じがして、長旅のなかでへばり着いた汚い雑菌が殺されてゆくような喜び。特に汚ないアソコあたりは、ここぞとばかりに入念に殺菌しマッサージもしてやろう。元気になるかな。(コラ!)

  女性の皆さんがお湯からあがろうとすると、今まで話していた男性が一斉にそっぽを向く。これもマナーですか。湯舟が深かったので女性のみなさんは要所を隠しながら湯舟から這いあがるのに苦労していたようです。そうこうしていても簡単は見えないものだし、もし見えてもそれほどニュースでもないんだよね。風呂って元々、裸で入るわけだし…。しかし、何人もの裸の群れを(たとえ後ろ姿であっても)見るのは、後に刺激がやや残ります。

乙見山林道

  能登へ

  ひとつ目のトンネルを抜けるとパラパラ程度の雨が降っていた。やや躊躇しながら走るうちに次のトンネルが来た。そのトンネルを抜けると今度は晴れていて雨の様子などまったくなかった。(この時にトンネルを出たら晴れという事象に対して逆の事象がある事に気づくべきだった…)

  いくつかトンネルをクリアし、次の出口が蓮華温泉への分岐点になる交差点というトンネルを出たら壮絶な土砂降りだった。たぶん、1分ほどでもそこに居たならばびしょ濡れになるのは確実である。ちょうど、出口に在ったGSに滑り込んで雨宿りをさせて戴く事になる。1時間ほど店主さん(ご夫婦かな)と話をして、止まぬ雨を恨めしく思いながらカッパを着て走りだした。数分走ったら、数十分にも及びそうな長いスノーシェッドあって、そこを出たら雨の気配は消えていた。運とはこういうものなんだろう…。

  悔しいのか、幸運なのか。蓮華温泉へのチャンスは次回へと持ち越し、能登方面を目指して、灼熱の日本海沿岸を走りだす。温泉は宿題になったけど、まっ、いいか…。

  能登半島に向かう途中に何度も考えたのは、小川温泉と宇奈月温泉に行って近くで野営を…というプランだったが、キャンプ場が確約できないのでいとも簡単に断念。宿題送り。小川温泉は混浴格安温泉と聞いていたのに…。

  朝日から小杉まで高速で移動して、半島の東海岸を北上するコースを選択。快適に走っている間に氷見を通り越してしまうほどだった。キャンプ場がない。うちのんが日本海側では朝鮮へ拉致される可能性があるから気をつけるようにと何度も言っていたので、こちらまで感化されて純粋野宿を迷っている。地図の下見がしてなかったのに当てずっぽうで走るので、どこを走っているのか良くわからないままに走ると能登島の入口もとうに過ぎていた。途中で夕食を取るために8番ラーメンに久しぶりに入った。


  輪島・朝市に寄って、猿山燈台へ

  猿山燈台には、第三日目に行った。

  道の駅の名前はロマンの里…とか書いてあったかな。ここを出て穴水を目指しそこで道を尋ねたら夫婦の車が先導してくださると言うので、後ろを走った。穴水から東に2キロほど行った所から輪島まで信号の数が1、2箇所という農道ツーリングを楽しむことができた。能登には高い山がないので、独特の雰囲気である。地元のご夫婦は速かった…。

  輪島の朝市に寄って、トイレで大きな事件が起こった。これは絶対に日記に書き留めるべき事だ。といっても、結果はオーライですが、ウンコをしたあと、トイレに財布を忘れて、しばらく気づかずいざ出発の段階で大慌てをしました。よかった…。

  朝市には7時過ぎに到着し通りを2往復して無作為におばちゃんたちと話をした。

  全部売れますか? 全部売れたら引き上げるの? 自分で作った草鞋ですか? 日が差し込んで暑いね、などと話をする。

  出展料金とかを払ってるんですか? みんな同じ金額? それとも真ん中の方は高いの? 通りの端っこより、真ん中の方が(よく目立って)いいでしょ? 

  次々と質問をしながら歩く。

  ---そりゃあ、私だって真ん中に出したいよね、でも、端でも、時にはいいことがあるものよ…

  ふくろうの小さな置物(二百円)を子供に、買って朝市見学を終えた。何も買わないけど、また行ってみたくなる不思議なところだった。

  猿山燈台について。これは、宮本輝の「朝の歓び」に出てくる能登半島のポイントのひとつで、この海を見ると地球が丸いことがわかるのよ、と主人公の女性に言わせている。晴れた日の朝がいいとも言っている。

  この岬の雰囲気を実際に眺めることで、ドラマを味がいっそう深くなる。誰もやって来ない。海に突き出した絶壁は雑木で覆われ、海鳥たちが舞う。丸い地球の上を大きな貨物船がゆくのが見える。日差しは強いに違いないが、汗が吹き出さない。かといって空気が乾いているわけでもなく、塩分を含んだ湿った風である。

  小説に登場する男と女と、私自身の事を頭の中でふたつ同時に並べてみて、自分の過去を後悔するともなく懺悔するでもなく、ぼんやりと想う。このドラマはフィクションで在りながらも、私自身にとって極めて設定がリアルで身近なものだっただけに、様々なシーンが重なり合うように通り過ぎた。

  真っ赤に沈む夕日と、真っ赤に燃えて昇る朝日にどこが違うのだろう。物理的に同じに見える筈なのに、どうして夕日はあれほどまでに赤いのだろうか…。

  一生、絶対に許せないひとりの女があったとしても、この風景の前でもしも偶然に対面したらば、あのことは水に流してもいいよ…と、私から言い出してしまうかも知れない。日本海の色ってもっと暗くて寂しいと思い込んでいたのに、とても明るく爽やかな青だった。これも太平洋の黒潮の一部なんだから、と思うと私の気持ちも少し和らいだか。

  猿山燈台を離れて幾つもの漁村を通り抜けた。間垣で囲んだ家々の佇まいが日本海の厳しさを物語る。

  旅を終えて、もう、家に帰ろう。

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