楢峠、牛首峠 【峠越え】
富山県に利賀村と行ったときの思い出話を。
1992年の10月31日の朝、テントなど一式とパンツを3枚を持って奥美濃へ行きました。
初めてこの地を訪れたのは1980年代の半ばころで、平村には一軒のガソリンスタンドがあり、そこで中学生ほどの可愛い娘さんがお店を手伝っていました。
久々にこの村に立ち寄ってみると、あのときの中学生が、子供さんを連れながらお店を手伝っていたのです。大きくなっていて驚いたね。実家の稼業を手伝いにきてるんだ。
利賀村への峠は「山の神峠」といいます。このころの峠は、旧道の凸凹ダートの道です。奥美濃街道を北上途中で雨が降り出し、山の神峠の中腹で雨足が最高潮を迎えていました。利賀村に降り立ったときにはもうヘトヘトで、身体も冷え切ってしまっていた。
蕎麦を食べさせてくれる「ごっつお館」という蕎麦屋も閉店目前だったのですが、色々と無理をお願いしてお蕎麦を1杯食べました。蕎麦屋の前は小さな広場になっていて、トイレと背中合わせになっている休憩小屋が一軒ポツンとありました。あの晩はこの休憩小屋で野宿をすることにしました。
雨足は衰えることなく、バシバシと屋根に打ち付けてくる雨粒が恨めしかった。せめてもの救いは、建物もトイレもとても綺麗だったことだ。出来る限り屋根の下までバイクを引き込み、小屋の中の木のベンチで寝た。
朝、目覚めると夕べの雨が雪に変わって、村を取り囲む山は真っ白でした。
村の人に尋ねてまず牛首峠に向かって行き、道路工事中で指示に従い、途中から楢峠に方向を変えるルートを取りました。
峠道は凸凹というだけではなく、電車の線路にあるようなバラストが一面に撒かれていて、タイヤが空転して坂道を登らないだけでなく、尖った石でタイヤが傷だらけになってゆくので、パンクやバーストの心配もしながらの峠越えです。
タイヤは新品だったにもかかわらず不安は募りました。谷の向こうの尾根の彼方まで峠道は続いていました。果たして行けるのだろうか。あの峠が牛首峠だったんだいうことは、随分とあとになって地図を見て気が付きました。
楢峠は紅葉の真っ盛りでした。苦難や不安が多かっただけに、思い出深いツーリングとなりました。
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