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2008年5月 4日 (日曜日)

吉野日記 (先月27日)

伊勢と奈良の間には高見峠という険しい峠道があったのだが、今はそこもトンネルになってしまった。

平野から櫛田川沿いを遡ってゆく。徒歩の時代ならば1日では峠を越えられなかった距離になる。コナラが芽吹き、山肌を甘く彩っている。この色合いをみて昔の人は「山が笑う」と言った。

現代のように杉や檜の植林が進んでいなかっただろうから、山々は春になると枯れ色から激変したのだろう。

人々の希望が込められていた。

海から60キロ西に行くと国境があり、そこから山を下ると吉野という地域に出る。

峠道をゆるりと遡ってゆけば、紫色の花を咲かせている野生のフジに出会う。近づいてみると、甘い香りが漂ってくる。

高見峠を越えて吉野地域に入ると、少し空気がひんやりというよりも、寒い。
トンネルを越えたり日蔭の走り続けると、身体が冷え込んでしまって戻らなくなっていることに気付く。

吉村寅太郎の終焉の碑がある。
ひっそりと、ある。

私がバイクを止めて碑文を読んでいても、車やバイクは誰も止まることなく通り過ぎてゆく。

150余年前の出来事なのだ。日本は所詮、その程度の短い時間に一人前になってきたわけで、成り上がりの癖に今という時代で大きな顔をしているのが、メチャメチャ可笑しいような気がしてくる。

さて、
川上ダムから洞川高原林道を越えて大峰林道へと行き吉野山の麓まで走ろうというのが今日の楽しみだ。

川上ダムには少しづつ水が溜まり始めているらしい。来るたびに立派なダムが完成度を増すのを眺めてきたが、いよいよなんですな。
おっと、ネズミ捕りもやってました。お隣さんの県で捕まるわけにもいきません。洒落にならんでしょ。

洞川林道の途中で珍しいものを発見しいました。ワサビ田です。やっぱし、水が綺麗だからね。
その脇から山の峰に向かって林道が伸びていきます。今度は、ここを上ってみようか。もしかしたら大峰林道に出るかもしれない。

せせらぎを見ながらどんどんと上っていきます。視界が開け始めたころに吉野へと向かう大峰林道の分岐点が現れました。

この大峰林道は、尾根道をゆく綺麗な道路でした。路肩を整備したら有料スカイライン道路にもなりそうなところです。ちょっと味気なかった。洞川林道や行者林道の方が楽しい。


そして
あっという間に吉野山に到着。

水分神社のところの展望台から蔵王堂を見下ろし大きく息を吸う。

後醍醐天皇は、52歳で最期を遂げたという。実年齢50歳。
自分の歳と同じときに、この地で再起を誓い、心を振るわせたのか、と思うと、こっちまで身震いする。

吉野山の桜は、ほとんどが散り果て、微かに残る花びらが風に舞っておりました。
穏やかな日曜日でした。

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