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2006年12月28日 (木曜日)

ホンモノをにらむ視点

(12月中旬発行のメルマガで・・・・)
街はすっかり冬の景色へと変わってきました。県立博物館正面のイチョウ並木も1ヶ月の間に刻々と移ろい、瞬く間に冬枯れの木立ちと姿を変えつつあります。道行く人も学生さんもコートの襟を立て足早やに坂道を急いでいくように見えます。

街にはクリスマスソングが流れ、商店街も活気付いています。夜には鮮やかなライトアップのイベントが行われているところもあり、いよいよ師走の雰囲気が盛り上がってきました。

人類は縄文の昔から、暮らしの中に存在する明かりや音、匂いに対して敏感でありました。しかしながら、大らかでもありました。ですから、匂いは、悪臭にもなり芳香にもなりましたし、心地よい音が騒音や雑音にもなったわけです。

時代が過ぎて科学技術の進化により、そのような光や音、臭気を取り除き、逆に都合の良いことは強調して楽しめます。ムダを省いて効率を上げ快適さを獲得することができる反面、生活の中の雑音がデジタル音源のノイズを除去するように殺ぎ取られていくような気がします。

  古池や蛙飛びこむ水の音    松尾芭蕉 
  赤い椿白い椿と落ちにけり   河東壁梧桐

二つの句の時代は大きく違うのですが、静寂のなかでじっと自然を観察している視点とその裏に隠された「音」の響きが、現代人が殺ぎ取って棄ててきたモノのなかにもあったのではないか、とふと思います。

年の瀬の雑踏ではクリスマス音楽があふれ、光が溢れています。これは現代社会の歓喜のパワーが漲るひとつの顔としてのパフォーマンスでもあるのですが、煌々たる光のイルミネーションに複雑な思いもあります・・・・。

と書きました。

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あれから、さらに半月が過ぎて、すっかり待ちは冬枯れの景色に変わってしまいました。

師走のあわただしさが、テレビやラジオからも伝わってきます。

今年、1年、さまざまな方々にお世話になり、刺激を貰い、あるときは叱咤され、過ごしてきました。

暮れ行くときを人それぞれに振り返りながら、過去と未来を見据えて、みなさまの思いも十人十色なことでしょう。

仏教の教えのなかに除夜の鐘の告げる108の煩悩があります。
人間の六根(目、耳、鼻、舌、身、意)の苦、楽、不苦不楽における18通りが、富める人と富めない人で36通りとなり、あらゆる時空、つまり、過去、現在、未来にあてはめて、36通りを3倍して108通りとなるといいます。

これを仏教という観点ではなく、人の心の哲学として捉えるとすれば、揺るぎない普遍性がそこにあることを感じます。

人々は、ホンモノを見る視点をすっかり失い、経済優先社会の中で、「自由(主義)」というものをまったく勘違いしてしまっている。多くの弊害を生み、社会は荒れ果て、心はすさむ。本当の「ゆとり」というものも見失ったままだ。

果たして・・・・
私たちの心に宿る哲学の中に、揺ぎない普遍性の欠片を見るけることが、できるのだろうか。

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