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2006年6月 3日 (土曜日)

第25話【花も嵐も】 すがすがしい風・美星町<岡山>

四国から宇高連絡船に乗って岡山県にあがったときのことです。

瀬戸大橋の下をくぐる海岸沿いを西に走って倉敷から矢掛町、そいて美星町へと、やはりあのときもあてのない旅でした。

美星町という町がありました。何て素敵な名前だろうか。結論を言えば特に何もないところだったのですが、町は低くて広い山々で覆われていて、素敵な道が自然な感じで延びていました。山陰へ向かう私が迷いながらにこの町に迷い込んでしまったのはとても幸運でした。

私が走ったのはツーリングマップルにも載っている広域農道の一部で、有料道路のように快適な道でした。

むやみに飛ばすことなどしません。田舎の道をそんなに急いで走っても、距離計が回ってしまうだけです。何の変哲もない景色が連続するところで、まったりとした時間を送りながら走るのは最高の贅沢です。

もちろん、誰にも逢わない。車にもすれ違わない。尾根の上をサーフィンで飛び越えてゆくように道路は延々と続いている。

落ち着いた景色を眺めていると、気持ちがだんだん落ち着いてきます。すると、だんだんスピードが緩み始めて、とうとうバイクを止めて山々や畑を眺めている私がそこにいました。

安野光雅さんの水彩画のようだ。南フランスのあの絵のような感じがしてくる。

こんな遠くまで来て、国道を逸れて無名の田舎に入って来て、バイクを止めて景色を眺めている私は、いったい何を旅に求めようとしているのだろうか。失恋旅行みたいじゃないですか。

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