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« 歯ブラシが行ってしまえど朝は来る | トップページ | 泣き言を聞いて叶わぬ春の雨 »

2006年4月 8日 (土曜日)

漂う

サクラの花は、それ自身が滅びるために生まれてきたのではないかと思うほどに儚い。
春という陽気に浮き足立った人々を引き立てて、気づかれぬ間に散ってゆく。

秋の落ち葉が、そっと音を立てずに老木の枝から離れ、数秒というスローな時間をかけて地面に辿り着き土に還るのと違って、サクラは風に吹かれてゆき、自らの幹のたもとでは土になれないのかもしれない。

それも自然の摂理なのだと思うと、なおさら、哀しい。


生ぬるい空気とピリッと冷たい空気が混在して漂っているような春の気配の中に、誰にも見つめられることなく咲く山あいのサクラを見つけると、長い1年を労ってあげたくなる。ささやかな自己主張をわかってもらうことでサクラは満足するのだろうか。

どこからも力を作用されないで自在に漂うには、春風に吹かれるのが気持ちよい。恋をしたくなる。

散歩中

サクラ

【参照先】

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