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2006年4月26日 (水曜日)

第10話【花も嵐も】 桧枝岐・通過の秘話<福島県・桧枝岐>

新潟県の小出地域と福島県の桧枝岐地域を結ぶ国道は、桧枝岐という集落を通ることで知られていて、この区域は新潟から福島に行くツアラーにとっては非常に魅力を感じるルートである。にもかかわらず実際には、この国道はバイクの通行が禁止されているのです。そこをある時期に通過したことがありました。

その当時のツーレポには、ことの一部始終を明確には書かなかったが、実をいうと少し禁止区間を走ってしまっていたらしい。お巡りさんが見て見ぬふりをしてくれたのだ、というような表現も適切ではないものの、秘術を使ってトンネルを通り抜けることができたわけである。

通行禁止区域入口近くのガソリンスタンドのおじさんに通行止のことを尋ねると、「仕方ないねー」というように言葉が濁してしまう。
一箇所の人だけでなく何箇所かで「どうしたものか」と尋ねてみると、悩みの相談を投げかけられた人のように顔をしかめて、しばらくして、行政が決定しているその禁止区間のことを棚にあげて、ほとんどの皆さんが具体的な方策を話してくださる。

行政は何故にこの区間を禁止にしているか。それは、実際に走って行政側の立場で考えれば明確に見えてくる。しかし、走り終えて庶民の立場になって考えた場合、行政指導者の考えが如何に庶民から遠いものであるか、というやり場のない思いも湧き上がってくるのでした。

この道路を通行禁止にしたら事故や危険は確実に減る。人間が工夫をし合い自分達の住んでいる所を住みよくしてゆくのだ。みんなのために生活を向上させて、発展させていこうじゃないか。そのような前進的な生活への挑戦が少し足りない。

いくら事故が減ってくれたとしても、知恵を出し合い工夫して住みよくする共同作業の部分を放棄してしまったことへの残念無念さが残るのだ。道路は誰のために造ったのですか、と走りながら私は思った。

桧枝岐にやってきて、尾瀬沼への入口に車を止めて登山に向かう人たちの群れに出会う。自然愛好家で、インテリジェントで、リッチな都会の人々が、大自然の中に車を放置して尾瀬の中に歩き出してゆく。おそらく、ブランドの登山用具で身を固め、都会風の言葉で会話を交わしながら、長蛇の列を成して沼の遊歩道を歩いているのだろう。結局は「得て勝手」の世界なんだ。自分だけが楽しむのだ。

いっぱいに人が溢れた尾瀬沼の風景を想像してみながら、一層のこと、上高地のようにすべての道を通行止めにすればいい。そんな皮肉なことまで思いながら桧枝岐を通過した。

夢とロマンが満ちていた尾瀬であったが、湯野上温泉に着くころには、私の頭の中からすっかり尾瀬への憧れや興味が消えた。

もしも尾瀬や桧枝岐にその土地の精がいるならば、大勢の文化人が群れる風景をどのように感じるのだろうか。

どれだけ環境保護を大義名分に挙げて、あるときには文化的なふりをしても、実際はまさに侵略の風景でしかないのだ。これ以上夢を奪い取られたくない。しかし、今度来るときには、きっと道幅がさらに倍近くになっているのだろう。車は増え続け駐車場は整備され、観光バスが溢れている。

悔しい限りである。

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