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2005年9月13日 (火曜日)

引き潮

市街地を抜けて隣町へと差し掛かるところに小さな橋が架かっている。海から二つ目の端で、潮の満ち欠けがよくわかる。私はここを朝の7時ころに通るのが日課だ。

満月の朝は潮が満ち、川の流れが止まって、ここにもし橋がなければもう立派な海の一部となるのだけれど、昨日の朝は引き潮で川の地肌が丸ごと姿を見せていた。

引き潮を見るたび、私は思う。
ああ、この川の姿は何かに似ているではないか。そう、失恋をして涙も枯れ果て、投げるものも壊すものも棄てるものもなくなってしまった女が、大きくため息をついている姿のようではないか。

エネルギーこそ使い果たしているけれど、決して潜在的な力を棄てているわけでもなく、大きな海を目の前にもう一度、甦ることを決意しているしたたかな女の姿を思い浮かべるのだ。

静かなのだ。
潮の満ち欠けが止まって、これから次の大きな変化が起こる前触れを私は知っているだけに、そこにとどまり、大きな干潟と対峙していたくなる。

---

昨日の朝---頭の中のすべてが真っ白になっている時刻---恥ずかしいほどにあらわに姿を見せた干潟に向かって、明日は少し明後日はさらに少しと潮が満ちてくる。

私は引き潮の海が好きだ。そういいながらも、静寂のあとにゾクゾクする海のざわめきを期待しているのかも知れない。

朝に引き潮を見たのだから、夕方に見る月は半月だ。そいつが昨日より少し太っている。真っ二つに切った月がほんの少しふくよかになってきているのだ。半月が丸くなる。

引き潮に女のため息を感じ、丸みを帯び始める半月に擦り寄る女の魅惑を感じている昨今。

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