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2004年9月 2日 (木曜日)

東電OL殺人事件

東電OL殺人事件 佐野真一著 を先日から読み始めています。
イカを見てスルメがわかるか 養老猛著 も(三国志2巻目 吉川英治著も・・)並行して枕もとに置いてあるので読んでいるが、ドキュメントはスイスイと進むので早い。

佐野さんは、宮本常一を書いたモノを読んで以来です。
ドキュメント作家というか、小説ふうのドキュメントに近いね。

刑事モノの社会派推理作品を松本清張さんはたくさん書いてきたけど、アレよりははるかにドキュメントですけど、鎌田慧さんと比べたらアカンわね。
でも読み物として、作者自身の弱さのようなものが出ていて面白い。


佐野さんはいつからこんな小説のようなモノを書くようになったのだろうか。
元々はルポライターだったのでしょうけれど。
宮本常一を書いてたころまでですか。。。

この作品も(小説とは呼べない、ましてルポとは書きたくない)随分と娯楽要素と興味本位を取り入れたモノになっています。

読み物としては、最後まで読ませてくれますし、「事実」に基づいて書かれているとは思いますが、作り話風味の(ときには詩情もまじえた)テレビの二流推理モノの原作のような感じ。映像文化が大手を振って歩き、エロをブレンドすれば売れるだろう(発行部数や視聴率)という気持ちも分からないではないが、ルポと呼ぶには少し…ルポを書く人に失礼です。
| 2006-07-31 15:55 | 読書系セレクション |


よもやま(2) 東電OL殺人事件(佐野眞一)

東電OL殺人事件を読んだ。1997年、東京・渋谷の繁華街から外れた裏通りで、慶応義塾大学出身で東京電力のキャリアの社員だった女性が殺害された事件のその公判を題材にしている佐野眞一さんのルポです。この談話室ができた頃にちょうど夢中で読んでいたのですよ。

私のクラスメートに伊藤君という奴が居て、彼は高校時代に進学先の話をすると、「慶応大学に行きたい、だって壇ふみって素敵じゃないか」とよく言った。結局、奴は早稲田文学部に進むが、慶応は高嶺の花だった。後に私も都心に通い慶応との品格の差を体感した。(渡邊泰子と同い年なので似た時代に学生をしていたことになりますので余計に)

その慶応義塾を母校とする渡邊泰子は、売春婦として渋谷の街を徘徊し、一晩に何名もの客を取り、それも数千円という格安での商売をしていた。ホテル代をケチって、路地裏の駐車場などでやっているところを目撃されていたりする。どうして年収が1千万円もあろうかというキャリアな人がそんなことをしなければいけないのか。

1997年3月、彼女は殺害されて、渋谷のアパートで発見された。マスコミはこの学歴と意外な事実を過剰なまでに報道した。

記憶にある人もあろう。

ひとりの容疑者があがり、後に逮捕され、最初の公判で無罪になる。その過程を、渡邊泰子が側からの情報はまったくないまま、容疑者を調べ、事件を調べ、公判を佐野眞一はくまなく傍聴した。

----

個人的には、例えば鎌田慧や本多勝一のルポとは正反対のルポですが、佐野さんの書き方の問題だから許すとして、まあまあ、面白かった。少し歯がゆいところもあるが。
でも、佐野さんって、宮本常一のことをその前に書いていてすごく気に入っていたのに、ちょっと、小説っぽく、やや減点気味かなというのが総合的な感想です。

坂口安吾の堕落論が引用されています。この引用は刺激的で、私は堕落論を読み返し、考える日が続きました。坂口安吾ときたら、壇一雄・・・・というわけで、私の手が伸びるところは果てしなく拡散して行くのです。(若い世代の人にも堕落論を読んで欲しいな、と思いながら)

こういうときに、ドロンと断ち切らせてくれるのが宮本輝さんで、9月末から「森の中の海」(上・下)を読み始め、台風のさなかに読み終わりました。そのお話はまた別に。

| 2004-10-09 23:58 | 読書系セレクション |

 


佐野眞一が引用した「堕落論」(坂口安吾)

東電OL殺人事件(新潮社・文庫・佐野眞一著)のなかで坂口安吾の堕落論を佐野さんは引用します。さらにその部分を引用すると、
「堕落自体は悪いことに決まっているが、モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。表面の奇麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ。堕落すべき時には、まっとうに、まっさかさまに堕ちねばならぬ。」 (プロローグから・11p)

うーんと唸るばかりです。
「まっとうに」というのにシビレますねぇ。

坂口安吾を卒業研究のテーマにした友人が居て、その話を聞いたとき、私は、「ふーん、そう」で済ませたが、あれは軽率だった。
出身地である新津市に行ってみたい、と切に思う。これまで何度も旅の途中に通過しながら、知らないために通過してきた。出会いとはこんなものだろうけど、自分体内で自己発生した好奇心だからこそ、面白い。

| 2004-10-10 08:42 | 読書系セレクション |

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